どっちが無添加なんだっけ?
『スーパーで売っているみりんは、「みりん風調味料」で本当のみりんでは無い』
こんな噂を聞いたことはありませんか?
みりんは、和食には欠かせない調味料の一つです。
メインの調味料だからこそ、「良いもの」を選びたいですよね。
そこで、今回は、種類(分類)や使われている添加物など、「みりん」について徹底解説いたします!
・原材料で分かれる「みりん」の種類
・みりんに使われている食品添加物
・無添加みりんの見つけ方
無添加の森管理人
・無添加生活を継続中
・日々、添加物について勉強中
・食品を買うときは、どこよりもまず裏を見る習性アリ
「みりん」には3種類がある
『「みりん風調味料」で本当のみりんでは無い』
そもそも本当のみりんって何ぞや?という疑問を持っている方もいるかもしれません。
そこで、まずは「みりん」の種類について解説します。
・みりんタイプ調味料(発酵調味料)
・みりん風調味料
1つずつ詳しく説明します。
本みりん
これが、いわゆる「本物のみりん」です。
そもそも本物のみりんとは、蒸したもち米と米麹を混ぜ、焼酎などの醸造アルコールで約60日間熟成させることで作られます(参考:本みりんの知識|全国味淋協会)。
この熟成の間に、酵素の働きで米のデンプンが糖に変わり、たんぱく質が分解されてうま味成分であるアミノ酸などが生成されます。
そのため、「本みりん」は独特の甘みとうま味があるのです。
みりんタイプ調味料(発酵調味料)
本みりんに食塩を添加したものを「みりんタイプ調味料」といいます。「発酵調味料」や「醸造調味料」とも呼ばれることもあります。
なぜ食塩を添加しただけのものが存在するのでしょうか。
これには、みりんの特徴が関係しています。
実は、先ほどの「本みりん」は「お酒」に分類されます。アルコール度数が1%以上のものは「お酒」なので、アルコール度数約14%の本みりんは紛れもない「お酒」です(参考:酒税法)。
日本では、お酒を売るには酒類販売免許が必要です。また、酒税の対象にもなり、消費者からすると価格が高くなります。
しかし、食塩を添加すれば、「そのまま飲むものでは無い」とされ、「お酒」ではなくなります。
その結果、誰でも売ることが出来て、酒税もかからないみりんが完成するのです。
その一方で、食塩を添加しているので、食塩の過剰摂取が気になったり、「本みりん」ほどの汎用性は保てなくなるなどのデメリットがあります。
みりん風調味料
みりん風調味料は、簡単に言うなら「水あめにみりん風の味付けをしたもの」です。
化学調味料や酸味料、甘味料などの食品添加物を使ってみりんの味を作り出します。
アルコールすら使わないため、もちろん酒税は対象外。それどころか、醸造のコストを削減できるため、「本みりん」や「みりんタイプ調味料」よりもかなり安く売ることが出来るのです。
アルコールを使わない「みりん風調味料」では、本みりんのように臭みを消す効果などは期待できません。
あくまでも「みりん風の味付け」に使うという感じですね。
3種類のみりんの見分け方
これら3種類のみりんは、原材料を見るとすぐ見分けることが出来ます。
「本みりん」の原材料
米(国産)、もち米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール(国内製造)、米焼酎(国内製造)
米、麹、アルコールで作られているのが本みりんです。
「名称」の欄に「本みりん」と書いてあるので分かり易いです。
「みりんタイプ調味料」の原材料
みりんタイプ調味料は、本みりんの材料に食塩が加わったものです。
食塩の存在で酒税法の対象外となるので、ポイントは「食塩」です。
「みりん風調味料」の原材料
水あめ、米・米こうじの醸造調味料、食塩/酒精、調味料(アミノ酸)、酸味料
食品添加物を使っているものは、みりん風調味料と言ってよいでしょう。
ただ、中には添加物とアルコールや食塩を添加して、「発酵調味料(みりんタイプ調味料)」となる商品もあります。
この場合、アルコール度数が高いので発酵調味料に分類されます。
つまり、みりん風調味料は、アルコール度数が低いものと言えるということです。
以下、見分け方をまとめてみました。
・「みりんタイプ調味料」→ 原材料に「食塩」&アルコール度数が高い
・「みりん風調味料」→ 食品添加物が使われている&アルコール度数が低い
みりん風調味料に使われている添加物は危険なのか
『「みりん風調味料」で本当のみりんでは無い』
という噂の通り、「みりん風調味料」は本当のみりんとは言えません。
食品添加物を使って「みりん風」に仕立て上げているものなのです。
さて、そんなみりん風調味料に使われている食品添加物は、どんなものが使われているのでしょうか。
・化学調味料
・酸味料
・甘味料
1つずつ簡単に見ていきましょう。
酒精
酒精とは、アルコールのことである。殺菌効果により、保存料として使われる。比較的安全な添加物である。
化学調味料
多くの食品に使われている万能な添加物。
酸味料
食品に酸味を加えるために使用されるが、保存料や酸化防止剤としての効果もある。ほとんどが本来食品に含まれるような物質なので、安全性は高いとされている。
甘味料
食品に甘みを加えるために使用される。天然物質から合成甘味料まで様々なものがある。合成甘味料の1つであるソルビトールは、過剰摂取によって下痢を引き起こすなど、甘味料の性質によってその影響も異なる。
このように、みりん風調味料には、様々な添加物が使われているのです。
「添加物=危険、悪」というイメージがあるかもしれませんが、食品安全委員会によって安全だと認められているものです(参考:厚生労働省)。
過度に危険視するのはNGです。
しかし、複数種の添加物を併せて摂取した時の安全性の評価は難しいものです。
何種類もの添加物の組み合わせを実験的に再現するのが難しいのです(参考:食品添加物の複合影響に関する情報収集調査 報告書)。
現在流通している食品にはあらゆる添加物が使われているので、食品添加物1種類だけを摂って生活するのはほぼ不可能です。
なので、「減らせるところで添加物を減らしておく」ことが大切なのかもしれません。
無添加のみりん=「本みりん」
というわけで、よく使う調味料であるみりんは無添加の方が良いということが分かったかと思います。
では、ここで無添加のみりんを紹介したいのですが、先ほど原材料を見てもらいました通り、
無添加のみりん=本みりんと言えます。
食塩を添加した「みりんタイプ調味料」も無添加と言えますが、探してみたところ食塩だけを添加したみりんタイプ調味料は少ない気がします。
大抵は添加物も使っているパターンが多いのです。
つまり、無添加のみりん=「本みりん」と思ってよさそうです。
オススメの本みりん
では、最後に、無添加生活を謳歌中の私オススメの「本みりん」をいくつか紹介します。
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 純米本みりん
画像引用元:キッコーマン | 商品情報
スーパーで売っている本みりんの中ではこれが一番良いのではないでしょうか。
本みりんの中には、糖類を使っているものもありますが、このみりんは米とお酒だけで作った本物のみりんです。
しかもすべて国産素材なところも良いポイントです。
【原材料名】
米(国産)、もち米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール(国内製造)、米焼酎(国内製造)引用元:キッコーマン | 商品情報
値段は400円で、少し高いですね。
マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん
これもスーパーで売っています。
タイ産などの米を使用している本みりんが多い中、国産の原材料を使っているのでオススメです。
【原材料名】
米(国産)、もち米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール(国内製造)、糖類(国内製造)引用元:キッコーマン | 商品情報
こちらは280円とお求めやすいです。
福来純 伝統製法熟成本みりん
画像引用元:福来純「伝統製法」熟成本みりん
最後は高級品を紹介します。
みりんはお酒なので、酒造会社の販売しているみりんは特にこだわって作られています。
このみりんは、職人の手作業によって丁寧に育てられた米麹を使用しているそうです。
【原材料名】
もち米(国産)、米麹(国産米)、米焼酎引用元:福来純 伝統製法熟成本みりん
たまには良いものを試してもいいかもしれませんね。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
今回は、みりんとみりん風調味料の違いをはじめとして、みりんについて徹底解説いたしました。
基本の調味料の1つであるからこそ、無添加にこだわってみてはいかがでしょうか。
以下、この記事のまとめです。
*本みりん:本物のみりん、「名称」欄に「本みりん」と書いてある
*みりんタイプ調味料:本みりんに食塩を添加、食塩アリ&高アルコール
*みりん風調味料:添加物でみりん風に作ったもの・見分け方、添加物&低アルコール
・無添加みりん=本みりん → スーパーでも売っている
というわけで、『スーパーで売っているみりんは、「みりん風調味料」で本当のみりんでは無い』という噂は、少し間違っているということになります。
みりん風調味料は、本当のみりんではありませんが、スーパーでも本みりんは売っているのです。
ぜひ、スーパーで探してみてください♪
スーパーで買える無添加食品については、こちらでたくさんまとめています↓
ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、また。
・【月2万円】無添加生活にかかる食費を公開!食費を安くする方法!
・「無添 くら寿司」の「無添」とは?添加物を使っていないの?
・【書評】無添加主義は『食品添加物の危険度がわかる事典』を読んでおこう!
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・ソルビン酸&ソルビン酸カリウムの危険性と使用基準は?【添加物徹底解説】
[参考にした文献・サイト]
・本みりんとみりん風調味料の違いと使い分けるコツ|【公式】まごころケア食
・「本みりん」と「みりん風調味料」の違いとは?|Webで学ぶ|株式会社玄米酵素
・実は3タイプあるって知ってる?みりんの料理での役割や、ない時の代用方法
・本みりんとは – 日の出みりん
・本みりんの知識|全国味淋協会