ショートニングとは?危険なの?海外では禁止されている?【添加物徹底解説】

疑っている男性
疑いの目
パンとかクッキーに入ってるショートニングって何?
身体に悪い?
海外では使っちゃダメって本当?

ショートニングは、私たちの食生活に身近な材料です。

バターやラードのようなものなので、正確には食品添加物には分類されません。

そんなショートニングは、「海外では禁止されているのに日本では使われている」と噂されています。

これは、本当なのでしょうか。

この記事では、ショートニングの危険性や囁かれている噂について徹底解説します!

 筆者の情報

無添加の森運営人無添加の森管理人:yama
・持病(アトピー)改善のため、無添加生活を継続中
・日々、添加物について猛勉強中
・食品を買うときは、どこよりもまず裏を見る習性アリ

 お急ぎの方に、先にまとめを出しておきます。

名称ショートニング
分類×
用途食感をよくする、バターやラードの代用
使用例パン、クッキー、ケーキなど
安全性危険(摂取量に注意)
発がん性なし
身体への影響心臓疾患、アレルギー、生活習慣病、不妊症
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ショートニングとは?

まず、ショートニングというものを理解しましょう。

ショートニング (shortening) は、主として植物油を原料とした、常温で半固形状(クリーム状)の、食用油脂である。

引用元:Wikipedia

ちょっとよくわからないですね。

すごくざっくり言うとショートニングは、固まった油(油脂)です。油脂には、バター、マーガリン、ラードなども該当します。

ショートニングの画像

画像引用元:Palm Shortening, Expeller Pressed, Ethically Traded – Hummingbird Wholesale

ショートニングの見た目はこんな感じです。

ショートニングは、工場で大量生産されて作られます。基本的には植物油が原料ですが、鯨油などの動物油など色んな油を混合して作られます

この点が、バターやラードなどと違う点かもしれません。

大雑把に言うと「人工的に作ったバターやラードみたいなもの」と言ったところでしょうか。

そして、正確には、添加物には分類されません

これは、バターを例にとると理解しやすいです。

バターは添加物よりも原材料という感じですよね。ショートニングも同じです。

ショートニングが入っている食品とその効果・メリット

ショートニングは、パンに使われている

ショートニングが使われている食品は、以下の通りです。

・パン
・クッキー
・ケーキ
・アイス

身近な食品が多いです。

ショートニングを使うことで、以下のような効果が得られます。

・食感をよくする
・ケーキやパンを膨らみやすくする
・バターやラードの代用品として使える

なお、これはショートニングに限らず、バターやラードなど油脂に共通する効果です。

食感をよくする

ショートニングを含めて油脂には、パンやクッキーの食感をよくする効果があります。

パンやクッキーの製造過程では、「グルテン」というタンパク質の膜が発生します。これは、粘り気のある物質です。

ショートニングを添加すれば、①グルテンの発生を抑える②その間に入って水分の蒸発を防ぐ、という効果が得られます。

この効果によって、ふっくらとしたパンやさっくりとしたクッキーを作ることが出来ます。

この効果は、ショートニング性と呼ばれており、ショートニングという名前はここから来ています。

膨らみやすくする

また、ショートニングを使うとケーキなどを膨らませることが出来ます。

これは、ショートニングが空気を多く取り込んでくれるからです。

この効果のことを、油脂のクリーミング性と言います。

バターやラードの代用品として使える

元々、ショートニングはラードやバターの代わりとして開発されました。

バターは乳脂肪、ラードは豚の油を原料としていますが、ショートニングは色んな油を混ぜて作るので低コストで製造できるいうメリットがあります

また、ショートニング性、クリーミング性、両方の効果を最も大きく得られる油脂は、ショートニングです。

つまり、「低コスト」で「油脂の特性を最も活かせる」のが、ショートニングというわけです。

それに、ショートニングは、バターやラードと違って味も臭いもないので、素材の風味を保つことも出来ます。

いかに、「ショートニングが便利な代物か」が分かったと思います。

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ショートニングの危険性

では、気になるショートニングの危険性について解説します。

ショートニングには、以下のように様々なリスクがあります

 ショートニングのリスク
・心臓疾患(心臓病、動脈硬化、心筋梗塞など)
・アレルギー症状の悪化(アトピーや鼻炎など)
・生活習慣病(悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの減少など)
・不妊症
・認知機能の低下

これらのリスクは、ショートニングに入っているトランス脂肪酸という物質によって引き起こされます。

トランス脂肪酸とは、油脂を作る途中に発生する物質です。

自然には絶対に存在せず、ヒトの身体で作られることもありません。

実は、これが危険と言われています。

アメリカ食品医薬品局によれば、食事からトランス脂肪酸を除けば、心臓病や心臓発作による死亡のリスクを減らせるそうです(参考:Harvard Health)。

また、WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを増加させると報告しています(参考:FAO)。

そして、食べてもいい量を「全カロリーの1%未満にする」ように勧告しています。

この国際的な機関の見解もあって、世間で「ショートニングは危険」という認識が広がっているのです。

ショートニングだけが危険ではない

しかし、これは何もショートニングに限った話ではなく、トランス脂肪酸は、油脂全般に含まれます。

なので、油脂の時点でリスクがあるのです。

とは言ったものの、他の油脂と比較して、ショートニングにはトランス脂肪酸がより多く含まれていると考えられます。

ラードは豚の脂肪と水から作られますが、ショートニングは水や食塩などを使わずに作られます。

簡単に言えば、ショートニングは「混じり気のない油脂」ということです。

そのおかげで油脂のメリットをより享受できる一方で、リスクも高まるのだと考えられます。

ショートニングは、海外では禁止されている?

ネットを見ると「ショートニングに含まれるトランス脂肪酸は海外で禁止されている」という情報をしばしば見かけます。

実は、これは少し間違っています。

アメリカでは、トランス脂肪酸そのものは禁止していません。つまり、ショートニングは禁止されていないのです。

しかし、米国内ではトランス脂肪酸が危険だということが十分に広まっているため、ほとんど使われていません

一方、日本では、WHOの基準(全カロリーの1%未満)を満たしているため安全であるとされ、未だに使用されています。

こうしてみると、「ほんとに大丈夫なのか!?」と思うかもしれません。

無添加の森のおさるさん
無添加の森の
おさるさん
これは、アメリカ人と日本人の1日のトランス脂肪酸の平均摂取量から判断されています。

日本人は、総カロリーの0.3~0.6%を1日に摂取し、米国人は総カロリーの2.6%となっています。

そのため、日本では安全とされており、表示義務もありませ

しかし、日本人の食生活も欧米化が進んでいて、ハンバーガーやピザなど、日本には無かった料理が今では広く親しまれています。

そう考えると、そろそろ日本も規制したほうがいいんじゃない?と思います。

こういう事情や、「トランス脂肪酸は危険だ!」という情報が世に広まったために、パンメーカーやハンバーガーショップなどが出来るだけトランス脂肪酸が少ない油を使うようになりました。

そして、トランス脂肪酸が多く入っているショートニングは避ける傾向が出て来たのです。

それでも、ショートニングの便利さは他では代えがたいものなので、安い菓子パンやファストフード店などではショートニングが使われています。

気になる方は、菓子パンなど原材料が確認できる場合、以下が書かれている食品は控えることをオススメします。

・ショートニング
・加工油

・植物油脂
・食用調合油

これらは、トランス脂肪酸の含有量が多いと言われています。

1日の摂取量の目安は?

ショートニングはケーキにも使われている

さて、長々と説明しましたが、最後に現実的な話をします。

ショートニングはどれくらい食べれば危険なのか、実際の数字を提示して説明します。

まず、WHOの勧告をもう一度見てみましょう。

・トランス脂肪酸量を総カロリーの1%未満に抑える

日本人が1日にとる総カロリー量の平均は約1,900kcalです。この1%とは、約2gです。

約2gのトランス脂肪酸を超える量を1日に摂取すると、リスクが高まるのです。

疑っている男性
疑いの目
よくわからん!
2gってどれくらいよ?

トランス脂肪酸の含有量は、原料や加工方法によって異なりますが、以下のようなデータが報告されています。

・マーガリン → 8.0g
・バター → 2.0g
・食用調合油、植物油脂 → 1.4g
・クッキー → 1.8g
・ケーキ → 1.8g
・コーン系のスナック菓子 → 1.7g
・ショートニング → 13.6g
・クリーム → 3.0g
※すべて100g当たりの平均値
データ元:食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸」

こうしてみると、いかにショートニングにトランス脂肪酸が多く含まれているかが分かります。

食品に使われるショートニングの量が微量だとしても、これだけリスクの高い物質は避けたくなります。

一方で、クッキーやケーキなんかを見てみると、1日に100g食べ続けるとリスクが高まると言えます

1日に100gって実際どうなのでしょうか。大体、ショートケーキひと切れで100gくらいです。

なので、スーパーなどに売っている安いケーキは、食べても1日1個にするべきということです。

他の食品についてもっと知りたい方は、データ元のリンク先を参照ください。

まとめ

ショートニングについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

以下、まとめました。

・ショートニングは油脂の1つ
・心臓病やアレルギー、生活習慣病などのリスクが高い
・リスクを生む原因は、トランス脂肪酸
・トランス脂肪酸は、日本では安全だとみなされているので、個人のリスク管理が必要

ショートニングは、避けようと思えば避けることが出来る添加物です。

安い菓子パンや、ファストフードなどを控えることが最も簡単でしょう。

ショートニング無添加のパンは、スーパーやコンビニで買えます。詳しくはこちらの記事を↓

特に、僕のようにアトピーなどで苦しむ人など化学物質に敏感な人は、気を付けるべきだと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

では、また。

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